不動産売買契約書の注意点

不動産売買契約書は、不動産業者に仲介を依頼されている場合には、不動産業者が契約書の内容を作成します。

 

不動産売買に慣れていない一般の個人の方では、契約書の内容に関して正確に理解することはなかなか難しいかと思います。

 

不動産購入登記サポートセンターでは、一般のお客様が不動産売買契約を締結する前に、あるいは締結後に最低限ご確認・ご注意してもらいたい点をご案内したいと思います。

 

不動産売買契約書の具体的な注意点

 

不動産売買契約書に必ず記載されている次の点に関しては、契約書において非常に重要な部分となりますので、きちんと確認・注意して不動産売買契約を締結しましょう。

 

売買の対象はどの物件か?

 

例えば、○○マンションの201号室を購入した場合には、多くの売買契約書では、物件名として「○○マンションの201号室」と記載します。

しかし、売買契約書で物件を特定するのは、物件名ではなく、不動産登記上の土地なら「地番」、建物なら「家屋番号」です。

不動産売買契約書を締結する際には、不動産業者より不動産登記簿の内容を確認の上、「地番」と「家屋番号」等の物件を特定する情報が合っているかどうか確認して下さい。

「地番」と「家屋番号」が合っていない場合には、折角購入を決めた物件なのに、最終的に権利を得られないことにもなりかねません。

 

なお、土地の売買契約書に関しては、購入する権利が「所有権」なのか地上権等の「借地権」なのかどうかも注意して下さい。

「借地権」はあくまで一定の期間、賃料を支払って利用できる権利ですので、所有権に比べると売買代金が割安になりますが、一定の期間が終了した場合には土地の返還が必要になってしまいます。

 

売買物件の広さは?

 

売買対象の物件の広さに関しては、いくつか基準が分かれます。

売買物件の広さの基準は次のとおりです。

 

① 登記簿の地積・床面積

② 建物に関しては、壁芯面積

③ 実測面積

 

物件の広さに関して基準が分かれる理由としては、登記簿の地積や床面積が正確な広さを表していない可能性があるためと考えられます。

特に昔から売買などをしていない土地に関しては、測量をしばらくしていないため、かなり登記簿上の地積と広さに違いが生じる可能性があります。

売買代金の算定の基準にもなりますので、物件の広さがどの基準から表記されているかを注意しましょう。

 

売買代金の金額

 

不動産売買代金は、当然最重要確認事項です。

売買代金が合意されている金額と違えば、売買契約は本来成立しません。

しかし、一度契約書として書面を交わすと、変更や修正も手間がかかりますので、契約書に署名・捺印する際には、十分注意しましょう。

 

なお、売買代金の支払い時期も不動産の買換えを検討している場合には注意しましょう。

 

手付解除はいつまでか?

 

不動産業者が関与している不動産売買契約においては、売買契約時(申込時)に手付けを支払うことが一般的です。

手付金は解約手付となることが不動産売買では原則となりますので、手付金の放棄あるいは手付金の2倍支払いで売買契約を解除できる時期がいつまでなのかきちんと確認しましょう。

 

担保権付物件は売買代金で抹消可能か?

 

購入不動産に、抵当権・根抵当権・賃借権等の登記がついていることがあります。

買主が登記の名義を移す際には、これらの登記が残っていると、思わぬ不利益を受けることがありますので、これらの登記を抹消できる段取りを進めることがきちんと不動産売買契約書に記載されているかを確認しましょう。

なお、司法書士に不動産売買の登記を全てお願いしているなら司法書士が登記の抹消の段取りをとるので安心ですが、買主ご自身で登記の手続きを進める場合には抹消登記の申請を忘れることがないようにしましょう。

 

売買契約の特約はあるか?

 

売買契約書においては多くの種類の特約が設けられることがあります。

特約は契約書の雛形には載っていない文言ですので、特約の内容については全てきちんと確認しましょう。

 

ちなみに、「売主指定の司法書士が登記手続きを行う」との文言は売買契約書の特約に定められますが、この文言には注意が必要です。

司法書士の費用は抹消登記等の売主負担部分を除いて買主が負担しますので、売主が指定する司法書士が不当に高い司法書士報酬を設定することがあります。

売主指定の司法書士が登記する旨の文言が特約にあった場合には、必ずその理由や司法書士報酬が具体的な金額を確認しましょう。

不動産購入登記サポートセンターが売主指定で登記を担当する場合には、司法書士報酬を予め特約の文言に記載してもらうようにお願いしております。

 

物件引渡し前の毀損・滅失はどうなるか?

 

売買契約後、物件の引渡し前に天災等の不可抗力により物件が毀損・滅失した場合に、不動産売買の責任はどうなるか、念のため確認して下さい。

 

瑕疵担保責任の内容

 

物件に瑕疵があった場合の責任の期間等が定めれれます。古い建物や売買当事者が不動産業者の場合には、特約で瑕疵担保責任が変更されたりしますので、確認しておきましょう。

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