不動産業者への仲介手数料

不動産売買において最も高額なのは、おそらく不動産業者に支払う仲介手数料です。

不動産を購入する・売却する場合には、一般的には宅地取引建物業者である不動産業者に物件の仲介をお願いすることになります。

ここでは、宅建業法で定められた仲介手数料の仕組みに関して説明したいと思います。

 

仲介手数料の支払い条件

 

不動産売買を仲介することにより、売買契約が成立することが支払いの条件となります。したがって、不動産屋に物件の仲介をお願いしたが、自分の希望に合う不動産が見つからなかった、あるいは買主を見つけられなかった場合には仲介手数料を支払う必要はありません。

つまり、買主からみた場合には、自分が希望する不動産を仲介した不動産業者に対して仲介手数料を支払うことになる完全成功報酬制となります。

 

仲介手数料に制限はあるか?

 

仲介手数料には、宅建業法により上限が定められております。

つまり上限以内であったら、不動産業者が自由に仲介手数料を定めることができます。

ただし、多くの大手不動産仲介業者はこの上限を基準に仲介手数料がかかります。

 

不動産売買の仲介手数料

 

宅建業法に定められる仲介手数料の上限は、次のとおりです。

 

売買代金(税別) 仲介手数料(税込)
200万円以下 5.4%以内
200万円超400万円以下 4.32%以内
400万円超 3.24%以内

 

上記の仲介手数料は、買主・売主の一方から受け取れる金額となりますので、もし不動産業者が買主・売主双方の仲介業務を行った場合には、上記仲介手数料の2倍の金額となります。

 

仲介手数料の簡易計算式

 

売買代金が400万円を超える場合、上記の不動産売買の仲介手数料の項目において記載したとおり、物件価格を3つに分けて計算する必要があります。

しかし、いちいち「200万円以下」と「200万円超400万円以下」の部分を計算していると面倒なので、通常は次のような簡易計算式を利用します。

 

仲介手数料(税込)=売買代金×3.24%+6.48万円

 

簡易計算式にある「6.48万円」に関しては、説明するとややこしいので、単純にこの数字を当てはめて頂ければと思います。

 

不動産売買の仲介手数料の具体例

 

それでは、不動産売買の仲介手数料の上限を具体例に基づいて計算してみたいと思います。

不動産の売買代金が5000万円であった場合、買主について仲介手数料の上限はいくらになりますか?

 

5000万円(売買代金)×3.24%+6.48万円=168万4800円(仲介手数料、税込)

 

仲介手数料は安くできるか?

 

仲介手数料は、多くの大手不動産業者は上限にて定められておりますので、大手不動産業者に不動産仲介を依頼されるようなら、仲介手数料を安く抑えるのは難しいかもしれません。

しかし、仲介手数料は上限が定められているだけで、それより下の金額なら自由ですので、不動産業者によっては、仲介手数料を無料にしたり、売買代金の1%で設定したりしているところもあります。

また、売主が不動産業者であるような場合には、不動産業者である仲介業者を間に挟まずに直接売買交渉をすることが可能なこともあります。このような場合に売買が無事に成立したとしても、当然仲介手数料は発生しません。

まとめると、仲介手数料を安くする方法は次のとおりです。

 

① 仲介手数料を安く設定している業者を探す

② 不動産業者から直接購入・売却する

 

仲介手数料が安い業者が良いか?

 

仲介手数料は安ければ、買主・売主としては有難いことなので、少しでも不動産売買の諸費用を抑えようと考えているならどんどんそういった不動産業者を利用すべきだと思います。

しかし、仲介手数料が安い不動産業者は中小不動産業者がほとんどです。不動産の売却を予定されているなら中小の不動産業者でもまったく問題ないと思いますが、不動産の購入に関しては、注意が必要です。

なぜかというと、不動産物件の情報は大手の方が持っているからです。

 

大手不動産業者のメリット

 

不動産物件は、売主から仲介が依頼されると、全国の物件情報がどの不動産業者が見られる「レインズ」に原則として登録されます。

したがって、どの不動産業者に仲介を依頼しても「レインズ」に登録されている物件は全て紹介してもらうことができます。

そういうことならどの不動産業者に依頼しても大丈夫かと考えられるかもしれませんが、実は中には「レインズ」に登録されていない物件もあったります。

それは、売主の都合などで物件を売りに出していることをあまり広めたくないという希望があった場合には、あえて「レインズ」に登録せずに、不動産の売買を行うことがあります。

このような「レインズ」に登録されないような不動産物件情報は、中小不動産業者よりも大手不動産業者の方が持っている物件数は多いです。

もちろん、物件の地域地盤の中小不動産業者が物件情報が多いケースも考えられますが、仲介手数料を基準にするのではなく、自分が住みたい物件を探すためには仲介手数料が高くても大手不動産業者に依頼するメリットはあると思います。

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