不動産取得税はどう計算するか?

不動産取得税は、不動産の所有権を取得した際に都道府県から課税される税金のことです。不動産取得税の実際の計算を考える前に、不動産取得税の内容について説明します。

 

不動産取得税はどういった場合にかかるか?

不動産取得税は土地・家屋等の不動産の所有権を取得した際に課税されますが「土地」「建物」「不動産の取得」の定義について説明します。

 

不動産取得税における土地とは?

不動産取得税の対象となる土地は、すべての地目が対象となります。したがって、「宅地」だけでなく「農地」も不動産取得税の課税対象になります。

※ 「農地」に関しては贈与の場合には納税猶予の制度があります。

 

不動産取得税における家屋とは?

家屋については、現在建っているものを取得する場合(つまり、中古住宅や分譲住宅の取得)のほか、建物を新築したり増築・改築も対象となります。また、家屋の種類としても住宅のみではなく、店舗・工場・倉庫等の建物も対象になります。

 

不動産の取得とは?

不動産の取得は、有償か無償は問いません。したがって、「売買」のみでなく「贈与」や「交換」なども不動産取得税の対象になります。

また、新築・増築・改築なども不動産の取得に含まれます。

 

不動産取得税が非課税となるケース

不動産を取得した場合でも、次の場合には非課税になります。

1 公共的な目的に供される不動産の取得

2 相続、法人の合併・分割、2年以内の債権消滅による譲渡担保財産の設定者への移転

上記1・2に該当しない場合には、原則として不動産取得税が課税されます。

 

不動産取得税の計算方法

ここまでは、どのような場合に不動産取得税が課税されるかを説明してきました。

ここからは、不動産取得税の計算方法について説明します。

まず、不動産取得税の計算式は次のとおりです。

課税標準 × 税率 = 不動産取得税額

 

不動産取得税を計算するための前提となる課税標準とは?

原則としては「固定資産課税台帳登録価格」となります。「固定資産課税台帳登録価格」がない不動産については、都道府県知事の決定によります。

なお、平成30年3月31日までに宅地及び宅地比準土地(市街化区域農地や雑種地等)を取得した場合には、課税標準を価格の2分の1とします。

 

住宅を取得した場合の不動産取得税の課税標準の特例

一定の要件を満たした住宅を取得した場合には、不動産取得税の課税標準について、一定額を控除することができます。

新築住宅 中古住宅
用途 住宅用(賃貸住宅も可) 自己の居住用
要件 ・50㎡(貸家共同住宅は40㎡)以上240㎡以下 ・50㎡(貸家共同住宅は40㎡)以上240㎡以下・次のいずれかに該当する中古住宅1 築20年(マンションは25年)以内のもの

2 昭和57年1月1日以降に新築されたもの

3 地震に対する安全基準に適合することが証明されたもの

控除額 1200万円※ 長期優良住宅は平成30年3月31日まで1300万円となります。 H9年4月1日以降築 1200万円H1年4月1日~H9年3月31日築 1000万円S60年7月1日~H1年3月31日築 450万円

S56年7月1日~H60年6月30日築 420万円

S51年1月1日~S56年6月30日 350万円

 

不動産取得税の税率は?

不動産取得税の税率は次のとおりとなります。

住宅・住宅用地 3%(平成30年3月31日までに取得)

商業地等の土地 3%(平成30年3月31日までに取得)

店舗・事務所等 4%

 

特例適用住宅の敷地を取得した場合の不動産取得税の軽減

土地を取得後に一定の期間内にその敷地上に特例適用住宅(上記課税標準の特例を利用できる住宅)を取得した場合には、次の1・2のいずれか多い金額が土地についての不動産取得税から減額されます。

1 4万5000円

2 土地1㎡あたりの価格×1/2×住宅の床面積の2倍(注)×3%

(注) 1戸あたり200㎡が限度。

 

なお、一定の期間内とは次のとおりです。

新築住宅 住宅と一緒に取得 未使用住宅を築1年以内に取得
住宅より先に取得 敷地取得日から3年以内に住宅を新築
住宅より後に取得 敷地取得日前の1年以内に住宅を新築
中古住宅 住宅より先に取得 敷地取得日から1年以内に住宅を取得
住宅より後に取得 敷地取得日前の1年以内に住宅を取得

 

不動産取得税の具体的な計算をしてみよう!

具体例

平成26年1月に土地200㎡を取得し、同年7月にその敷地上に住宅(長期優良住宅ではない)を床面積180㎡を新築し居住している場合、不動産取得税はいくらになるでしょうか?固定資産税評価額は、土地が2000万円、家屋は1500万円です。

 

家屋の不動産取得税から計算しよう!

(1500万円-1200万円)×3% =9万円

したがって、家屋の不動産取得税については9万円となります。

 

土地の不動産取得税について計算しよう!

不動産取得税の軽減の前に本来の税額を計算します。

2000万円×1/2×3%=30万円

さらに、今回は特例適用住宅の軽減が使用できる物件となりますので、軽減金額を計算します。土地の1㎡あたりの単価は10万円となります。

10万円×1/2×200㎡×3%=30万円

したがって、

30万円-30万円=0円

土地の不動産取得税については0円となります。

不動産取得税のご相談

不動産取得税に関する個別のご相談は、不動産購入登記サポートセンターに不動産売買登記のご依頼をされたお客様のみが対象となります。
不動産取得税についてご相談をご希望の場合には、恐れ入りますが不動産売買登記をご依頼下さいませ。

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