不動産決済
不動産決済とは、不動産売買代金を支払うことを主にいいます。
不動産決済時には、売買関係者全員が基本的には揃うことになります。
不動産決済が終了すると、鍵の引渡しや不動産売買の登記の申請を行えるようになります。
不動産決済までの準備
不動産売買契約を締結後、全ての不動産売買関係者はこの不動産決済を目標に業務を行うことに基本的になります。
この不動産決済に向けて、買主ではお金の工面・書類の準備、売主は引渡し・書類の準備、司法書士では登記申請の準備、不動産業者では各関係者への連絡・当日のお金の流れの準備を行います。
不動産決済の立会い
不動産決済の立会いは、売主・買主・不動産仲介業者・司法書士・金融機関が揃って原則として行います。
住宅ローン等を利用する金融機関にて行うことが多いです。
なお、立会いの時間は、通常振込の時間等を考えると、9時から13時くらいまでに開始されることが多いです。
不動産決済立会いの流れ
① ご挨拶
売主・買主・不動産仲介業者・司法書士・金融機関等、初めて会う方も多いので、まずは、名刺交換等の挨拶をします。
売主・買主も契約時には同席していないこともあるので、初めてお会いするということも良くあります。
② 登記必要書類の受領
挨拶が終わり、全員が揃った段階で、司法書士から事前に案内している登記に必要な書類を当事者から受領します。
お金が動くまでは渡せないと考えている方もいらっしゃいますので、その場合にはとりあえず書類があるかどうかだけでも確認したいので、必ず原本を提示にはご協力くださいませ。
③ 登記書類への署名・捺印
その後、事前に司法書士が作成した署名・捺印用の書類(通常は、登記原因証明情報・登記委任状)に、売主・買主がそれぞれ署名・捺印をしてもらいます。
捺印は、売主に関しては実印を、買主に関しては認印でも登記は可能ですが、不動産購入登記サポートセンターでは、実印の捺印をできるだけお願いしております。
④ 振込・現金出金の手配
登記の書類に問題がなければ、続いてお金の支払いの準備に移ります。
お金の支払いの流れに関しては、各不動産仲介業者よりの説明に基づいて買主・売主が金融機関の伝票に記入して頂きます。
不動産仲介業者によっては、不動産決済時にご説明されるケースもあります。
しかし、不動産決済という限られた時間の中で、買主・売主様に理解するのは大変なことですので、できたら不動産決済の前日までにお金の流れは確認しておきましょう!
⑤ 融資の実行(融資がある場合のみ)
登記の書類やお金の振込に問題がないようなら、司法書士より融資(住宅ローン)の実行を金融機関にお願いします。
⑤ 待ち時間
お金の振込み等をお願いしたら、基本的には待ち時間となります。
この待ち時間のときに、不動産売買後に必要な管理会社向けの書類や火災保険の契約を行ったりもします。
だいたい30分前後の待ち時間ですが、月末や週末では2時間近い場合もあります。
特に月末は多くの不動産決済が行われるので、時間短縮のためにも、なるべく月末は避けて不動産決済を行うように不動産業者や金融機関にお願いしておきましょう。
⑥ 振込・現金出金の完了
不動産売買代金の振込みや現金の授受を行い、最後に不動産の引渡しを行います。
⑦ 不動産決済の立会い終了
上記の手続きが終了で、不動産決済の立会いは終了となります。
この後、司法書士が不動産登記の申請をその日に行います。
おおよそ、上記のような流れで不動産決済は行われます。
なお、取引によっては若干流れが変わる可能性もありますのでご了承くださいませ。
不動産決済の注意点
不動産決済では、まれにトラブルが生じることがあります。
代表的なトラブルとして次のような事例があります。
不動産決済時には、十分注意して下さい!
必要書類を忘れた!
権利証をご自宅に忘れてしまう売主がたまにいらっしゃいます。
このような場合、権利証がないと登記はできないので、次のような手段をとることが多いです。
① 自宅まで急いで権利証を取りに帰ってもらう。
② 権利証を取りに帰る時間がない場合には、司法書士が作成する本人確認情報にて登記をする。
③ 後日に延期する。
上記の②の場合には、司法書士への手数料がかかりますので、あまりお勧めはしません。
また上記③も損害賠償が発生する可能性がありますので、現実的な解決方法とはいえません。
したがって、多くの事例では①となります。
しかし、多くの不動産売買の取引関係者に迷惑をかけますので、必要書類の忘れ物には十分注意しましょう!
振込を間違えた!
不動産売買の振込先を間違えたり、振込金額が違っていたりすることも、たまにあります。
振込先・振込金額は、特に売主に住宅ローンによる抵当権が付いていたりすると、振込先・振込金額が違うために、抵当権の解除が不動産決済日に行うことができない可能性もあります。
不動産決済終了後も振込のトラブルで大慌てする事態もありますので、振込先・振込金額に関しては、司法書士の立場からすると、特に注意してもらいたいです。